2009年5月4日月曜日

自給率の向上

朝のテレ朝の番組で食料自給率の向上の問題をやっていましたが、鳥越さん、「米をもっと食べるようにしないと、解決しない」という発言はちょっと短絡的過ぎませんか? 「米=食糧、食べ物は大切にしなければいけない。食べるためにしか使ってはいけない」という食料が足りなかった時の教えが、何となく生きていて自縛になっているように思います。

コスト低減は、規模拡大は勿論ですが、多収米の育種が必要です。10アールで800Kg~900Kg取れるようになればそれだけで、生産コストが30~40%下がるのですから、、、。 この30年間、品質・食味に偏って、育種の本来の目的(多収、耐病・耐虫、耐天候変化ー>収量の安定)を蔑ろにしてこなかったか不安でなりません。 このような研究は毎年の成果の積み重ねなので、10年も異なる目的(例えば、品質、食味のみの追及)で行っていれば、そのつけは極めて大きいと思います。 作付面積で収量を調整するのではなく、生産物を必要に応じて用途振り分けを行い価格を調整するような事をすべきだったのではないでしょうか?(公正取引という面では問題がある方法ですが)。

長期的に見て、輸出、飼料米、バイオエタノール、米粉など用途開発を積極的に行い、「いくら作っても全てが出荷でき、一定の収入が得られる」状態を作った上で、大規模化をしてゆくことが必要なのではないでしょうか? 少なくとも、用途開発を積極的に行っている事を政府や、農協等は示して農家が安心できるようにすべきなのでしょう。 沢山作ればそれだけ収入が増える、当たり前の状態を作るべきなのです。

米だけでなく、みかんや多くの作物で農政は「生産量を調整する=(結果として)コストを上げる」という失敗を繰り返してきて、結果として農業収入に対する不安感を醸成し農業の衰退を招いて来たと思います。 もっと、販売事業に力点を置き、地方に食品産業を興し、産直を推進し、農業の将来に明るさを取り戻す努力が必要だと思います。

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