2009年4月26日日曜日

サンデープロジェクトの農水大臣

減反制度の見直しについての農水大臣との対話と、それに反対する自民の西川議員のビデオでの対比的な番組構成は、内容はともかくとして、明かに番組が農水大臣の側に立って応援している番組としての演出を感じさせるものだと思います。 西川議員の「農水大臣の発言は迷惑だ」といった感情的に議論を拒否している印象を与えるような発言は、少し考え直した方が宜しいのではないかと思います(農業者全体の総意のような誤った印象を与えてしまいます)。

ところで、本質的な内容として;

1)農業の衰退
 農業者が入れ替わっていない(10年前の農業者の平均年齢と現在の平均年齢が10歳違う!! 10年後には更に平均年齢が10歳上がる!!)ーー>農業に魅力が無い。
 規模拡大が必要で、このままでは日本の農業が大から小まで全ての農家と共に沈没してしまう。 
 減反政策は、全員が一度に沈むようにしているだけ。
2)農業政策は誤っていた。
 農業機械の進歩により、過去に農業者の退出を意図した政策が失敗してしまった(農業機械だけで1兆円産業だった時代があり、農協も手がけて、農家に必要の無い農業機械の買い替えを促していた ー 私のコメント)。
 でも、戦前から一貫して農業政策はうまくいった試しがない、失敗の歴史だったのでは? 
 きっと、その時の問題の解決しかしてこなかった、長期的なビジョンを持っていなかった(持っていない)事によるのでしょう。
3)石破大臣直轄の担当者がいる
 農水に石破大臣が集めた、改革のための官僚がいるようですが、もしうまく行かなかったら全員首になるとの番組からの質問に対して大臣が「省益や、個人の保身のためにやっているのではない」と言って頂いたのには、非常に心強い思いがしました。
4)資産保全と将来価値
 明確に、「農地として保全しておけば、将来商業地として何十倍にもなる資産として少ない税金で相続できる」という本質的な点を指摘していましたが、ここまで明らさまに言ったのを聞いたの初めてです。 問題の本質を共有するためにも、必要な事だと思います。
5)栽培規模と収入
 現実にはもう少し厳しいと思いますが、一定の規模が無ければ生活できない、という当然の現実を明確に示していました。
 逆に言えば、100Haの規模を6人程度で運営すれば、水稲でも年収1000万円は確保できるし、規模拡大が農業の維持には絶対に必要であることが、明確に示されていると思います。
6)その他
 水稲農家の農業者に占める割合が10%を切っている、とかちょっと気になることにも言及されており、良い番組でした。

やはり大きなきっかけが無い限り凝り固まった農林族の壁を打破することは出来ないでしょうから、石破大臣には頑張って頂いてこの機会に大胆な変革を期待したいと思います。 
ただ、変革と、その実現のためには、移行期に、土地の所有権と利用権を切り離し、小規模農家が困らず、また大規模農家にもメリットのでるような方策が時限的な物であっても必要でしょう。

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