2007年5月10日木曜日

農業の生産性の目標値は?

日本の農業の生産性が低い=より付加価値の高い製品の供給で生きてゆく=>安いものを志向する消費者と、高品質なものを志向する消費者の割合から、より小さな市場で生きてゆく=>安い輸入農産物の品質が上がってゆく=>より高い品質の物を生産販売する=より小さな市場で生きてゆく=>、、、、、。

これでは、一般の工業製品に見られる競争と一緒で、早晩衰退してしまうことを意味しています。
より積極的に、低価格、高品質な農業生産を目指して努力してゆく必要があるのではないでしょうか?
それでは、どの程度の生産性を目指すのか?
  米の生産で言えば、おおよそ中国の10倍、米国の2-3倍と言われていますが、中国の経済成長率を考慮に入れると、いつまでも日本の10分の一で生産できるとは考えにくいので、これは目標値とはなりません(将来、もっと安く生産するところが出てくるかもしれませんし、、)。
  したがって、現在の生産コストを2分の1くらいまでに抑え、更に専業農業生産者の年収が500万円を超える程度のところを目標にした、具体的な政策(ビジョン)を確立する必要があるのではないでしょうか?
この為には、多分;
  1)栽培規模100Ha程度の6-10人程度の農業法人で米を生産する。
  2)農業用水や、集落の下水道等の共同賦役で賄われていた作業を公社などで有料で提供するようにして、農業者の共同賦役をやめる。
  3)農業基盤整備等による、必ずしも必要かどうか疑問のある土木事業を見直す。
  4)少人数で、大規模経営が出来るように、水利等で、長期間に亘り、必要に応じて水が供給できるようなシステムに改める。(一部の地域では、みなが必要な時期には安いが、自分だけが必要なときに供給を受けようとすると、法外な金がかかり、作業の分散が出来ない例がある。)
  5)農地を農業法人に集約しやすいように;
     使わない農業機械で減価償却が終わっていないものの措置を考える(中古市場の活性化?)
     賃借地(農地)からの収入に対する課税について優遇措置を考える。
     
といった政策とその目指す明確なビジョンと具体的な目標が必要なのでしょう。

また、高付加価値商品を作らないと言うことではなく、中山間地等の規模拡大の難しいところでの、減農薬、無農薬などの高付加価値商品の生産の奨励と、平坦地での規模拡大、低コスト生産の両方を同時並行的に進めてゆく必要があるでしょう。 今のような流通主導の高付加価値化を排除して、明確に一般商品と高付加価値商品を市場で分ける必要もあるでしょう。

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