2007年5月30日水曜日

農水大臣の死

農水の林業関連には、何かもっと、もっと在りそうな事件ですね、、、。 熊本でも関係者が自殺しているみたいだし、、、。  「死人に口無し」にならないように、この際徹底的に膿を出して、林業行政が透明化されることが期待されます。
間伐材が放置してある山林が多いけれど、これだって将来的にはバイオエタノールの素ですから、「明日は、また別の今日(tomorrow is another today)」ではなく、この機会に、もっと積極的に一歩を踏み出して、林業にも新しい活気が戻ってくることを期待したいものです。
しかし、「松岡利勝氏以外に農林行政に明るい政治家が居ない」という自民党にも問題がありそうです。あれだけ、地方の農業票に頼ってきていたのに、元林野庁職員がもっとも農業行政に明るい議員だったとは。 (もっとも、専門家とか、農政に明るいの定義が問題で、農水のしきたりを知っている、というのが農政に明るいの定義なら、この際さっさとそのような考え方は捨てたほうが良いのでは? それでないと、いつまでたっても、農業には日が当たらない、、、。)

2007年5月19日土曜日

ふるさと納税

「ふるさと納税」という話が、最近降って沸いてきた様に話題になっていますが、これって、本当に助けになるのだろうか?
どこかの番組で、言いだしっぺ、という知事さんがふんぞり返って、その根拠を話していて、「18歳までに一人1500万掛かり、これが都会へ出て行ってしまうと毎年30億の持ち出しが発生しているから、この補填を要求するのはおかしくない」みたいな事を言っておられましたが、言っている事がおかしい。 そもそも、地元に就職の場が無いから都会へ行かなければならないのであって、就職の場を作れないのは政治の問題だとすれば、自分の力の足りなさを、このような形で、他人に金銭を要求する事によって解決しようとしている事にしかならない。 特にこの知事さんの県が、隣接県より企業誘致を一生懸命やっているとは思えない(というか、何をしているのか、というほど負けている)状況で、このような事を言い出すのは、些か人品が疑われる。 たかりの発想以外の何物でもないですもの。
地方交付税という形で、お小遣い貰って運営されてきている地方自治のあり方が維持されて、幾ら金銭を流しても、所詮は贅沢三昧のどら息子が、後どのくらい生き長らえるのかが変わるだけで、地方の活性化という話には繋がらないのでしょう。 「お小遣い自治」では自治という名の”ままごと”にしかなっていない? 自治の意味をもっと理解するべきだと思います。
地方の政治家は、交付金とか、助成金とかに集るのではなく、自分の足で立って歩ける本当の意味での自治を目指して努力するべきだし、それを阻害するような、国の統制を指摘して排除してゆくべきではないでしょうか?
原発の調査費を拒否して、町長になった人が話題になりましたが、このようなごく当たり前の高潔さが少なくとも必要でしょう、今の政治には。 その上で、どうしても立ち行かなければ、皆で一定期間何らかの助成を考えてあげる事はあっても良いと思いますが、受け取る側は、恥ずかしい、という意識が伴うはずですし、それが人間として当然では?

このような枝葉末節の一時的な金銭の移動を議論するのではなく、国税も含めた税体系全体について、地方自治の独立性を高める議論がなされる事が望まれます。 (少なくとも小遣いの分配をしている人が、力を持っているような錯覚を持つ政治、行政は、早く消えてなくなって欲しい)

2007年5月17日木曜日

クローズアップ現代(5月16日)

飼料用やバイオエタノール用としての稲作をやっている農家が既に存在していて、またそれに助成金が付いているというお話でした。 農水のこの手の話は、「どうして、もっと正々堂々と公にならないのか?」、ちょっと疑問に思ってしまいます。  バイオエタノールを作るのに、日本酒と同じ製造工程で、見たいな話がありましたが、これはちょっとおかしい。 経産省配下では、もっと生産的な技術が試みられているし、実用化に向けての努力もされている、と聴いています。
農家が、農水の餌食になって時代遅れの技術で非生産的な事をして、また、「非効率な、金食い虫の農業」と揶揄されることの無いことを願うばかりです。 エタノール抽出後の残渣はNPKが残っているので、肥料として還元できるはずです。
放送では、国谷女史が「コスト的に割りの合わない国内産のバイオエタノールを消費することの意味」について強い否定口調で言っておられ、それに対する回答はあまり説得力のあるものではなかった(農業を守る、環境を守る)と感じます。 稲藁や雑草のセルロースの分解で更にエタノールが製造できることも言及はされていませんでしたし、将来性ということを考えると、もっと多くの可能性があると思います。 少なくとも、国外依存の状態では、将来の価格が保証されるわけではありませんし、BRICSの経済成長率と、エネルギー消費の増加の影響は、今のコストの話をする前に、十分に精査して考える必要があります。 また、250万町歩をベースに100万町歩の休耕田、という話がありましたが、これは獲らぬ狸の皮算用ですね。 200万町歩をベースに考え、平坦地の規模拡大、コスト削減、中山間地での付加価値の高い稲作の推進と話を二つに分けて考え、消費者に価格の弾力性(選択性)を提示できるような仕組みと、余剰米を有効にエネルギーに転換する枠組みが早期に確立される必要があると考えます。
私の本籍の県がこの話題で出てこないことには非常に残念な思いがありますが、「作らないで金貰うより、飼料用でもー作って金を貰ったほうが良い」という至極真っ当な意見が農家から聞けたことは、大変有意義です。 
真っ当な農家の皆さん、ぜひこれをチャンスにがんばってください。 そして、政治家の皆さん、このような農家の方々のためにもっと真剣に農業のことを考えた政策を提案し、実現していってください(決して、地元に国の金を持ち帰るのがあなた方の仕事ではないと思いますが、、)。

バイオエタノール最前線

という本(ISBN4-769371322)が出ていたので早速購入、読んでみました。
バイオエタノールの生産、流通、貯蔵など、多くの内容を網羅的解説した、中々の本でした。
これを読んで、またgoogleした多くのバイオエタノールの関係の記事から残念なことは、「諸外国の状況」が優先されていて、必ずしも「日の丸技術の確立」的な発想が感じられないことです。 また、NEDO,RITE、農水関連研究機関と、この研究開発、実用化の為の努力が非常に分散され、若干省庁の壁が感じられることです。 (省庁の予算確保と縄張り争いに利用されている?とすれば、国家の足を引っ張る結果になりかねない) 21世紀の基幹技術として、世界に発信できる技術として、もっと国家挙げて一体のものとして研究開発、実用化が促進される事を期待したいところです。 (少なくとも、アジアでのリーダーシップを発揮し続けてゆくためには、このような技術の先進的な開発と、環境対策などは、日本としての重要な技術であるはずで、常に新しいものを創出してゆく必要があるはずです。)
あまり、具体的なビジョンを感じられない安部政権として、何か、こんな将来のある技術で、大きなビジョンと具体的なメルクマークを国民に示して欲しい(単なる、ブッシュの後追いの、エネルギー転換のお話ではなく、、、)。 そうすれば、若い人ももう少し、技術立国日本に誇りと期待が持て、理系離れも抑制出来るのでは?

2007年5月10日木曜日

地方のジレンマ

農業とは直接関係ありませんが、田舎に帰っていてちょっと気が付いたこと、、、。

 よりよい生活を求めて、子供の教育に力を入れる
 結果として、子供は都市圏の一流大学を目指し、うまくゆけばそこを卒業
 卒業して、就職をするとき、それに見合った収入を求めれば、やはり都会で就職するしかない。

 結果として、子供に良い生活を願った親は、田舎で寂しい暮らしをする。

という悪循環をしてしまっているのではないだろうか? と、ふと思うことがあります。

ということは、地方自治で最も重要なことは、「良い就業環境と、良い教育環境を両立して持つ」事しかないのです。  
これだけ、通信インフラが発達していると、東京に本社機能がある意味が薄れてきているはずなのに、どうしてこうも東京に本社機能が集中するのだろうか?  東京で勤めていても、往復に2時間、会社での仕事は殆どがネット上や電話で出来る仕事で、営業の仕事となれば、東京勤めといいながら、殆どが外回りで(極端な例では殆どが地方回り)で、東京に居ることにはあまり意味が無い、ケースが多いように経験上思います。
いっそ、本社スタッフ機能を地方に移転させるドライブをかけたら、どうなるのだろう? たとえば、法人税率の決定裁量を地方が持ったら? きっと、少子化対策にもなるのではないだろうか?

農業の生産性の目標値は?

日本の農業の生産性が低い=より付加価値の高い製品の供給で生きてゆく=>安いものを志向する消費者と、高品質なものを志向する消費者の割合から、より小さな市場で生きてゆく=>安い輸入農産物の品質が上がってゆく=>より高い品質の物を生産販売する=より小さな市場で生きてゆく=>、、、、、。

これでは、一般の工業製品に見られる競争と一緒で、早晩衰退してしまうことを意味しています。
より積極的に、低価格、高品質な農業生産を目指して努力してゆく必要があるのではないでしょうか?
それでは、どの程度の生産性を目指すのか?
  米の生産で言えば、おおよそ中国の10倍、米国の2-3倍と言われていますが、中国の経済成長率を考慮に入れると、いつまでも日本の10分の一で生産できるとは考えにくいので、これは目標値とはなりません(将来、もっと安く生産するところが出てくるかもしれませんし、、)。
  したがって、現在の生産コストを2分の1くらいまでに抑え、更に専業農業生産者の年収が500万円を超える程度のところを目標にした、具体的な政策(ビジョン)を確立する必要があるのではないでしょうか?
この為には、多分;
  1)栽培規模100Ha程度の6-10人程度の農業法人で米を生産する。
  2)農業用水や、集落の下水道等の共同賦役で賄われていた作業を公社などで有料で提供するようにして、農業者の共同賦役をやめる。
  3)農業基盤整備等による、必ずしも必要かどうか疑問のある土木事業を見直す。
  4)少人数で、大規模経営が出来るように、水利等で、長期間に亘り、必要に応じて水が供給できるようなシステムに改める。(一部の地域では、みなが必要な時期には安いが、自分だけが必要なときに供給を受けようとすると、法外な金がかかり、作業の分散が出来ない例がある。)
  5)農地を農業法人に集約しやすいように;
     使わない農業機械で減価償却が終わっていないものの措置を考える(中古市場の活性化?)
     賃借地(農地)からの収入に対する課税について優遇措置を考える。
     
といった政策とその目指す明確なビジョンと具体的な目標が必要なのでしょう。

また、高付加価値商品を作らないと言うことではなく、中山間地等の規模拡大の難しいところでの、減農薬、無農薬などの高付加価値商品の生産の奨励と、平坦地での規模拡大、低コスト生産の両方を同時並行的に進めてゆく必要があるでしょう。 今のような流通主導の高付加価値化を排除して、明確に一般商品と高付加価値商品を市場で分ける必要もあるでしょう。

2007年5月9日水曜日

(日本の)農業は非効率で、他国と競争しても勝てない?の疑問

農水省が出している、栽培規模別の米農家の生産コストの内訳を見ていても、農業機械の減価償却で20%、肥料、農薬などで7-8%となっています。 農地の固定資産税が特別に高いとは思えないし、基本的に固定費(人件費)と農業機械の減価償却などが大きな割合を占めているように思います。
そうなると、結局単位面積当たりの収量を上げることが唯一コスト低減に繋がるわけですが、この30年生産過剰で、育種も品質一辺倒だし、減反奨励で、農地の一部の水稲を刈り取って生産調整をしていたりして、決してコストを下げるような方向性の努力はなされていません。 これは、長期的に大きな問題となる可能性があります。 どの産業も、規模拡大とコスト削減が生き残りの条件になっていますが、農業が例外だと考えるのは、WTOの枠組みでは無理があるのではないでしょうか?
農水は営農集団とか、農事組合、株式会社の参入などで、規模拡大を図ろうとしているようですが、農村における、下水掃除などの共同賦役についても考えた上での政策を採らないと、そんなに簡単にはこのような方向に進むとは考えられません。 霞ヶ関のお役人はあまりにも、農村の現実を知らなさ過ぎる、と思います。  (そもそも、先の生産コストの調査では、労賃が変動費のようにでていますが、これって、3反でも10町歩でも、一人の経費は生活のための経費500万円程度の固定費にしないと、アルバイトが前提の農業になってしまいますよね。)
「たわけ(戯け?、田分け?」とはよく言ったものです。 マッカーサーは、「田分け」だったわけ、、、。