2007年10月19日金曜日

NHK の地球発!どうする日本「食と農業をつないでゆくには」

NHKは最近集中的に農業問題を取り上げていますね。 これで、明日はどのような方向の話になるのか楽しみですが、今日の分の感想を纏めておきます。

前回が「かなり悲観的な内容」だったのが、今日は一変して、「そこにはまだビジネスチャンスがある。苦しいのは、別に農業だけじゃない」という根底の流れがあったように感じました。 (前回の番組から、政府辺りから批判が出て、急遽作った番組か?と勘繰りたくなるくらいにトーンが違っていましたね。)
私の感じる所を幾つか;
1) 団塊世代の退職者を狙った就農政策は、問題を良くて10年先送りするだけで、真の農業問題の解決にはならない。 小規模、高コスト農業が団塊世代が本当に働けなくなる後10年程先送りされるだけで、その後には老齢者さえ、人口が減っているのだから。
2) 高価格を地元が受け入れるような農業も、いつまで維持ができるのか、極めて疑問で下手をすると、地域のすべてが落ち込むことになりかねない。
3) IT化、企業化(コスト意識)、マニュアル化、自らの需要者へ直接販売する、後継者の育成等が本来の進むべき道で、そのような活動をしている例が紹介されたことは、素晴らしいことだと思う。 残念な事に、水稲と野菜果樹では、生き残りのための必要条件が違うが、その点がまぜこぜになってしまっていた。
4) 収益の安定化とROAの最大化のために、もっと単作ではない栽培体系を真剣に考えてゆくべきだ、と痛感した(北海道はこの点非常に不利になるが、地球温暖化で、他の地域でも今まで以上に余地があるものと思われる。)
5)ついでに農水の資料を見ると、登熟期に高温に当たり品質低下を招いている水田がかなり見られるようなので、栽培体系についても地域により見直す必要があると思われるが、地域の農業試験場にはこのような方向性を強くサポートする心意気があるのだろうか、危惧される。(農業の不振が、農業研究など周辺に及ぼしてきた影響について、看過されているが、非常に大きいと思う。特に、この30年間で世代も入れ替われ、昭和30年代の農業振興に努力してきた人の影響が無くなってしまった近年は、基本的な事さえ知らない研究者が増えているように思われる。)

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