2008年9月16日火曜日

くそビジネス

かれこれ12〜3年前、福岡に駐在していたとき九州農政局に居た斉藤さんと話をしていて、「南九州の畜産廃棄物の処理と、北部九州の合成肥料の投入とを何とかうまく組み合わせて相殺出来るような方法は無いだろうか」見たいな話をしたことがあります。 この話にヒントを得て、社内で新任のAPのマネージャに「畜産廃棄物から肥料を作って農地に戻し循環させるような、バイテクビジネスは出来ないだろうか?」という話をしたら、頭から「俺たちがクソビジネスするのか?!」と言われて没になってしまいました。

メルビン・カルビンの「さとうきびからエタノール」と「畜産廃棄物から肥料」、そして「農産物残渣からも、肥料とエタノール」は、この何十年か、ずっと私の頭のどこかにこびり付いていますが、21世紀になって、やっとその方向にゆっくりと進み始めたみたいです。

世界の人口が増加し、耕作可能面積が漸減している状態で、食料を賄おうとしたら、「農産物の効率的な生産(多収、安定)」と「家畜飼料の効率改善(吸収率を向上させ廃棄物を減らす)」そして更に「廃棄物(畜産、残飯)の飼料・肥料への転換と再利用」を上手に行って行かなければなりません。 家畜飼料の効率改善はデュポンのビル・カークがバイテクの大きな目標として掲げていたものですが,私自身その考え方の素晴らしさに大変感銘を受けました(今,パイオニアハイブレッドがその目標に向かって、邁進しているとは思えませんし、関連の法規などの審査も、遅々として進んでいないみたいですが、、、)。

食物連鎖の最初から最後までを、一つづつステップ毎に精査して、全体として無駄を最小化するためにはどうしたら良いのか、を考えるような学問領域が必要になってきたのかもしれません。  (畜産廃棄物で、窒素やリン酸が多くなりすぎ、水が汚染されるということは、家畜の食べる植物にそれだけの窒素やリン酸が含まれていて、家畜には利用されなかった物が悪さをしている事に過ぎないのですから、これを利用してこなかった、現代人の知恵の足りなさに反省)

最近、畜産廃棄物を通常の方法より極めて短時間に分解して肥料にする「菌のフローラ」を売っている会社がある、という話を聞いたので資料を取り寄せてみました。 高温でも活動できる菌がミソの様ですが、 畜産廃棄物を3日ほどで、熟成肥料として利用可能にする、処理中臭いもしない、と謳っています、、、。

個人的には、明確な理由も無く農薬を敵対視していたり、菌のフローラの詳細が分からなかったりで、資料もあまり科学的ではなく(特許公報のコピーと、何をしたいのか分かりませんが、多くの農薬の分析結果データが付いていました)、対象を有機栽培農業に絞って高く売りたいみたいな印象を受けたので、これ以上の深追いをするのは止めましたが、畜産廃棄物の処理に困っている方で興味があれば、 

 「トヤマNB菌」 
 株式会社インパクト
 石川県金沢市神野東22番地 tel 076-216-5528 fax 076-216-5529

です。 この会社は微生物分解で作った肥料を売っているみたいなので、ここに連絡しても菌の入手ができるかどうかは分かりませんが、連絡すれば対応はしてくれるかもしれません。

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