2008年9月9日火曜日

地方の財政悪化は地方だけの所為?

地方の財政が酷い状態になっているのは事実で、上から降りてくるお金を使う感覚が、取り留めもない財政悪化をもたらしている、というのも事実の一面ではあると思います。 しかし、これ以外に国の事業とされている物が、地方の財政を悪化させており、市町村は、この上からの殆ど強制的なお召し上げには逆らうことが出来ない、という事実に気がつかされたので後学の為にメモしておきます。
国のプロジェクトは、国XX%、県X%、市町村X%、受益者X%等と設定された、長期にわたるプロジェクトの場合があります。 しかし、私の田舎での最近の経験では、農業用水パイプライン化の10ヶ年プロジェクトの開始3年め位で、既に予算規模が3倍に膨らんでいて、これに対して「受益者としての合意の確認書を返送してくれ」との文書が送られてきました。 その理由として、資材の高騰、宅地化が進み地下化が必要等々の説明がありましたが、10年かけたプロジェクトで、その間の都市化による受益者の減少のリスク見積りはなされていませんでした。 また、当初計画の3倍近い経費が見積もられていながら、当初の計画通り遂行しようというのは、享受出来るメリットが当初の1/3になることから、どう考えても理にかなわず、計画その物の見直しが必要と思われたので、私は反対の意を込めて、合意文書は送付しませんでした。  しかし、これは市町村や県では簡単には出来ることではありません。 結果として、限られた予算の中で、当初の計画の2〜3倍の出費を既に了解されている既定の出費として召し上げられ、その結果、教育費とか市町村独自の予算を削って賄うことになってしまいます。
業界団体の委員をしていたときも,「容器リサイクル法関連で予算を確保したから、使途を考えろ! 民間団体の出費は50%」と突然言ってきて、「我々として、直接的に有効に利用する事は出来ないと思う(使っている容器その物を作っているわけでは無いので)」という消極的な対応をしようとしたら、「世の中の動きに、反対するような行動を業界としてするのか? 何か考えろ!」で無理やり、メーカからも50%出さされて、財団法人が窓口で、別にしなくてもよい調査に5000万円程の税金が使われたのを覚えていますが、税金はこうやって、役所の予算獲得競争の果ての無駄の積み重ねで浪費されるのだ、とつくづく思いました。

市町村の財政が疲弊しているのは必ずしも、市町村だけの問題ではないことを指摘しておきたいと思います

国のプロジェクトと言われている物が、実は受益者も負担すべきと言う口実の元に、県や市町村にも負担金を求めている物であり、予算規模の大きさが、その省庁のランクを象徴していることと、複数の出資者が居ることにより、期中の見直しができ難くなったり、プロジェクトに対する責任の所在が曖昧になってしまうことから、この様な方法は即刻止めるべきでしょう。 少なくとも、当初予算を30%以上越えることが確実になったら、プロジェクトを見直す、といった予算のシーリングをするべきではないでしょうか? 市町村によっては、この様な国がかりのプロジェクトがクレジット会社の請求のように溜まっていて、自分で使えるお金は殆ど無いような、多重債務状態の所もあるのではないでしょうか? 
 その場合,
   国のプロジェクトに尻尾を振った市町村が悪いのでしょうか? 
  それとも、
   貧しい市町村を食い物に、自分の予算規模を膨らますことに血道を上げた、中央官庁が悪いのだろうか?


どう思います?

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