2008年8月5日火曜日

自由市場と農業

小泉政権は自律的な経済をめざし、多くの規制や補助を撤廃してしまいましたが、本来的に自由市場を維持するために必要なインフラを整備する事は何もしてこなかったように思います。 (結局は、「ぶっつぶして」しまっただけで、他には何もしなかった、そんな政権に未だに人気があるのには納得が行かないし、そのつけを払わされている福田政権は可哀想な気がします。)
コメの流通市場は存在しませんし、価格情報もリアルタイムでは公開されていません。 これでは、生産者がどこへ出荷して売上価格を最大化するのか決定する自由はありません。 結果として、農家がいくら努力しても、その成果は農家ではなく中間流通が取り込む今の状態になってしまいます。 そして、究極は「産地偽装」ですーこの様な行為が横行するのは、流通の情報が適切に公開されていないからに他なりません。 アダムスミスが成り立つためには、全ての市場参加者が同様の情報を等しく共有している必要があることは常識で、我々の住む世界がそのようになっていないことも事実として認識されていると認識しているのですが、今だに大きな顔をしてテレビなどに良く出てくる経済関係の大学教授さんは、そんなことも指摘して行政を動かせなかった事を恥ずかしくは思わないのでしょうか?
規模の拡大、生産の効率化の追求は自由市場での生き残りの為に必要な事で、この為に農業界は努力して行かなければならないことは事実ですが、流通の情報が不完全なままでは、中間流通が利益を取り込むだけで終わってしまいます。 産地偽装等という「恥ずかしい」行為を排除し、活性化された農業を再生するためにも、行政はもっと市場の形成や市場情報の公開に軸足を移してほしいものです。

0 件のコメント: