2007年4月4日水曜日

農業って何だ?

何故か、生まれてこの方農家でもないのに農業に関わって生きてきて五十余年、日本の農業政策にはとっても疑問を感じます。 というわけで、自分なりに考えていることを整理しておく事にします。

1)農業は、自然を守る?
  人間が耕作すること自体が既に自然ではないので、農業=自然は間違いでは?

2)農業は(日本の農業は)、国民の食の安全安心を守るためにある?
  確かに、食の安全安心を守ることは農業者の責任として考えるべきことですが、農業は生業であり、まず農業者が自立できる事が肝要ではないでしょうか?

3)(日本の)農業は非効率で、他国と競争しても勝てない?
  規模の小さい農家を維持してゆく政策をとりながら、減反政策で面積当りの収量を減らしたら、唯でさえ効率の悪いところに、益々固定費が上がって、コストが上昇してしまいます。
  そもそも、食糧を輸入に依存することが、世界的な需要バランスから見れば、貧しい国からの搾取に繋がっているという意識を持つべきではないでしょうか?
  G7の国を見ても、殆どの国が輸出国であり、日本のような輸入国ではないことを、もっと真剣に考えるべきではないでしょうか?  非効率で競争力が無い事を肯定するのではなく、それをより競争力のあるものに改善!!してゆく方策をもっと真剣に考えなくてはいけないのでは?

4)日本の農業は高品質なものを高価格で販売すればよい?
   輸入農産物との差別化で、このような方向性で20年以上、国の政策も進められてきたように思います。 しかし、需要と価格をみれば、どのような商品でもピラミッド構造をしており、高品質高価格なものの需要は小さくなってゆきますし、それのみを追求してゆけば、やがて市場のニーズと乖離してしまい、市場を失ってしまいます。
   高い値段の有機農産物があっても良いですが、より安価な、誰でもが買える(買いたくなる)適切な価格の国内生産農産物が十分に供給されている状態が必要なのではないでしょうか?

5)農業が食料の供給だけでは無くなってきた!!
   化石エネルギーと地球温暖化の問題から、最近急速にバイオエタノールが注目されています。 第1次オイルショックの頃、ノーベル賞受賞者のメルビン・カルビンがバイオエタノールの話を講演でしていて、「とんでもない話」だと思ったのを覚えています、だってこっちは毎日の食事にも事欠いていた貧乏学生だったから。 しかし、それが現実の話になってしまいました。
   こうなると、メキシコのタコスにするより、アメリカのガソリンに混ぜるバイオエタノールの方が、収入が多い、といった今までとは違う市場原理が働いて、食料の需要と供給は、今までとは全く違った問題を抱えることになりかねません。 きっと、世界的に見て格差がもっと広がることになるのでは、ないでしょうか、、、。先進国の遊び車を走らせるために、発展途上国の飢餓が酷くなるなんて、創造したくはありません。

6)地球環境の変化
   どの農業国(特に米の輸出で恐れられている、中国、米国、オーストラリア)も現実には、水の供給不安が付きまとっています。 コスト的に見合わなければ、だれも日本向けの米など作りません。 黄河流域の水の汚染と枯渇は、特に中国の農業生産に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。
   温暖化で、九州でパイナップルとかバナナが作れるとか、米は北海道が銘柄産地になる、とか、信じられないような話が、10年位で現実のものになるのかもしれません。

と、ちょっと考えただけでも考えられる問題が山のように出てきます。
これから、夫々について(それ以外についても)少しづつ、もう少し詳しく分析してゆきたいと考えています。

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