2008年11月9日日曜日

農業の規模拡大と退出の痛みの軽減

同じ事を何度も書いているように思いますが、現状をそのまま維持することで日本の農業を守ることが出来ないのは、誰の目にも明かでしょう。 農水省も、過去20年くらいの間に統計資料の対象から零細米農家を外したり、規模拡大農家への助成を増やす等、規模拡大に向かって少しづつ動いている様ですが、規模拡大をすれば、農家を止める(止めることを強制される)農家が発生する事は明らかであり、この農業から退出する人達への配慮がないと片手落ちではないでしょうか? どうも、規模拡大をする農家への助成などだけが検討されていても、退出する人達への配慮が見られないことが規模拡大の大きな障害になっているような気がしてなりません。  土地の所有権を維持したい退出農家が多いでしょうから、所有権を維持して賃借した場合の賃料に対する課税など、税制上の緩和策を採ることにより、もう少し規模拡大や農業の活性化が進むように思うのですが,,,。

民主党の農業に対するばらまき助成や、対抗した自民党の最近の農業対策等、どうも長期的なビジョンが見えないし、いわゆる弱者(農業から退出せざるを得ない人達)への配慮も見られません。

高級品としてのりんご、みかんや米等の中国への輸出で、なにかこのままでも「高級品」のイメージで日本の農業が維持できるような誤解が有るような気がしていますが、それだけで日本の農業が維持できるとは到底思えません。 品質などは、高い値段で売れることが分かれば、誰もが真似をして結果として価格は下がるものですーそれが資本主義、市場主義なのですから。 高級品で売っていても、常にコスト低減を考えておかないと、いずれ衰退してしまいます。

早期に、今後10年の日本の農業ビジョンと、それに伴って発生する事になる退出者への優遇税制など、大きな枠組みでの農業政策が示され、関わる人達が胸を張って日々を送れるようになる日がくることを期待します。

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