2008年11月17日月曜日

農協の役割

って何でしょう?
時代の移り変わりにより、その役割も変わるのは当然のはずが、あまりにも変化への対応が、なさ過ぎるような気がするのです。
食料が政府によって統制されていた昭和初期(戦前は今の農協ではなかったけれど、似た組織は有った)から昭和40年代までは、きっと政府の買い上げ価格を優位に決めるために、政治的な役割が最も大きかったのではないでしょうか?
しかし、米さえも自由化されている現在、もう少し役割について見直す必要があるのでは? 今となっては農協に政治的な圧力が十分あるとも思えないですし、、、。 根本の役割に戻れば、不作に備えた共済の機能と、生産物買い取り価格交渉権を発揮するための集団交渉力を持つ組織としての機能が期待されるのではないでしょうか。  個々の農家が相対取引をしても、規模から十分な価格交渉力を発揮しているとは言い難いと思います。 また、ブランドということを考えれば、「パールライス」のような失敗を繰り返すことなく、品質管理(生産管理)が出来、且つ数量的に意味の有る規模での産地管理を農協がその役割の見直しと共に考えなければならない時期に来ているのではないでしょうか。 農産物のブランド管理でうまくいっている例として、「三ヶ日みかん」位しかないのは、誠に残念ですし、「ブランド」の意味についてもう少し勉強した方が良いのではないでしょうか、、、。
個別農家の規模拡大や、農業法人等の拡大が急速に進むとは思えないので、個々の農家の規模のハンディをカバーするために農協は「ブランド」を創り出し、生産指導管理を徹底し、地域の生産農家の収入を最大化する努力を、もっと積極的にするべきではないでしょうか?

いずれにせよ、規模が小さければ、買う側の意見が通ってしまい生産者には利益配分が薄くなる市場の原則を理解して、少しでも生産者への利益配分が大きくなるよう「農協」はその活動を見直すべきだと思います。  お金の取立てや、肥料価格の一方的な値上げ、農協マージンの大きさと、組織の主役であるはずの組合員に矛先を向ける現在の農協への不満は募るばかりの状態で、農協は本当に良いのであろうか(存続できると思っているのか?)と不思議に思うのですが?

農業共同組合法で守られている? 組合員が要らない、と言い出せば、こんな法律も過去の物になってしまうのかもしません。

2008年11月9日日曜日

農業の規模拡大と退出の痛みの軽減

同じ事を何度も書いているように思いますが、現状をそのまま維持することで日本の農業を守ることが出来ないのは、誰の目にも明かでしょう。 農水省も、過去20年くらいの間に統計資料の対象から零細米農家を外したり、規模拡大農家への助成を増やす等、規模拡大に向かって少しづつ動いている様ですが、規模拡大をすれば、農家を止める(止めることを強制される)農家が発生する事は明らかであり、この農業から退出する人達への配慮がないと片手落ちではないでしょうか? どうも、規模拡大をする農家への助成などだけが検討されていても、退出する人達への配慮が見られないことが規模拡大の大きな障害になっているような気がしてなりません。  土地の所有権を維持したい退出農家が多いでしょうから、所有権を維持して賃借した場合の賃料に対する課税など、税制上の緩和策を採ることにより、もう少し規模拡大や農業の活性化が進むように思うのですが,,,。

民主党の農業に対するばらまき助成や、対抗した自民党の最近の農業対策等、どうも長期的なビジョンが見えないし、いわゆる弱者(農業から退出せざるを得ない人達)への配慮も見られません。

高級品としてのりんご、みかんや米等の中国への輸出で、なにかこのままでも「高級品」のイメージで日本の農業が維持できるような誤解が有るような気がしていますが、それだけで日本の農業が維持できるとは到底思えません。 品質などは、高い値段で売れることが分かれば、誰もが真似をして結果として価格は下がるものですーそれが資本主義、市場主義なのですから。 高級品で売っていても、常にコスト低減を考えておかないと、いずれ衰退してしまいます。

早期に、今後10年の日本の農業ビジョンと、それに伴って発生する事になる退出者への優遇税制など、大きな枠組みでの農業政策が示され、関わる人達が胸を張って日々を送れるようになる日がくることを期待します。