2009年9月1日火曜日

新政権に期待するもの

とうとう民主党が衆議院の多数派を占めました。 「どうせ、変わりはしない」「何か変わる予感が」と色々ありますが、私なりに希望を述べれば、、、

 1)人の意見を最後まで聞く議論の習慣をつけて欲しい
   何故か今回の選挙期間中の討議では概ね守られていましたが、今後もお願いしたい。
   少なくとも、子供に見せても恥ずかしくない国会審議をお願いしたい。

 2)アカウンタビリティの徹底を
   依然として数の暴力に頼った政治志向が続いていいると考えざるを得ませんが、「何故、そう判断したのか?」「他の代替案と比べた時の得失はどうなのか?」等の質問が行われ、その質問に真っ向から答えられ、そして結果として相応の合意が得られる、といった議事運営を通して、外交・軍事の特殊案件を除いて、殆どの案件について、賛成・反対の根拠が明確に示される議論をして欲しい。
   意味不明の答弁、昔話を自慢するような訳の分からない質問など、国会中継を聞いていると、これこそ税金の無駄という議論が多過ぎるような気もします。

-->議会が与野党拮抗すれば、もっと議論が深まるのでは、と参議院選挙で民主党に投票しましたが、残念ながら日本国国民(その代表である議員諸氏)は、このような議論を尽くすレベルで民主主義を実践できるレベルには達しておらず、醜い混乱を招いただけの数年間でした。 今度こそ、透明性を高めた(賛否の根拠を明快に示した、また反対なら代替案を示して、その優位点を示すような)議論が主流を占めるような議会にして欲しい、と思います。  (これなら、このような議論についてゆけない旧態然とした議員さんはやがて脱落してゆくでしょう)

 3)ばら撒きはやめて
    一度集めた税金を再配分すること自体が、再配分の仕方を決める、給付を実際に行う、といった本来必要のない事務と権益を作り出す事にもなります。 税金を原資とした再配分は全廃して、税金を払えない貧困層の人達の救済に限ってのみ、税金を使うこととして欲しい。  学童を持つ家庭を補助するのに給付金ではなく、授業料の免除(課税所得の一定以下は無料、他は一部負担)等の方法の方がずっと合理的だと思うのです。  税金を自党を有利にするための、ニンジンとして使うことを法的に禁止する位の事はやって欲しい。

 4)長期的なビジョンが欲しい
    街頭のインタビューでも、「お金が貰えたら、それは助かるけど、、、」といった意見が多いように思います。 今を助ける事も大切かもしれないけれど、少々苦しくても、明るい未来を示すことこそが大切だと思います。 もっと、勇気を持ってここに踏み込んで欲しい。  誰も、このままで良いとは思っていないし、将来が明るくなるのならば、少々の犠牲もやむを得ないと思っているように思う。  賢明な日本国民は、将来につけを回す現金給付を期待しているわけではありません(貰って、迷惑という人もいないでしょうから、世論調査という観点からは注意が必要で、最近、何か勘違いしているように思います、政治家の人達が)。

 5)農業を何とかしてくれ
    補助なんかいらない! でも、ビジョンは示して欲しい。 コメの値段は60Kg幾らまで下がるの? 5000円を覚悟した経営をしておけば良いのか、それとも10000円なのか、15000円でいいのか? 少なくとも、それくらいの事は明確に示していなければ、やめた方が良いのか、頑張って続けた方が良いのかも決められない。 ほとんどこの10年間生殺しの農業になっているように思います。
    今の農家全員が農家としては生き残れない事は皆が分かっているし、日本の農業が消滅するわけにはゆかない事も分かっているはずです。 では、どうしたら、健全な形で農家・農業を存続させてゆく事が出来るのか? 飴をばら撒いて、票を集める事ばかり考えないで、真に国家のためのビジョンを示すべき時が来ていると思います。  あまりにも農業を継子にして弄んできたしわ寄せがきているように思います。

 6)新生児に金をつけても、それだけではしょうがない
    少子化問題、というと直ぐにこれも3歳児まで「一人一年幾らの補助」といったパターンの解決策が示されますが、これも必要でしょうが、実際には勤労世帯(夫婦共稼ぎ)が安心して幼児保育から小学校位までの教育を任せる事が出来る場所があるのか?といった事の方が重要だと思います。 東京の企業に勤めていて、有能な女性でも、小学校低学年になると子供の安全上の問題から会社を辞めざるを得ない状況を再三見てきました。 子供の教育を安心して任せられる、また金銭的にも補助を受けられる、といった心の余裕(安心)こそが本当の意味での少子化対策ではないでしょうか?  東京であれば、郊外の通勤電車駅の2階以上が保育園、小学校、養老院になっていると、助かる人がいっぱいいるのではないでしょうか? 核家族というあり方も考え直した方が良いのかもしれませんが、、、。

 いろんな希望を並べたけど、幾つかの不安が、、、
1)民主党の個々の主張を総合すると、「大東亜共栄圏」の復活を目指しいているような、、、。
核の所有、米国との対等な関係、憲法の改正と軍事力の行使、東アジアの共通通貨、、、、 
鳩山一郎は、「統帥権干犯問題」を引っ張り出して政権奪取を目論んだ張本人だし、日米安保に批判的で、戦後も独自の軍備所有を主張して吉田とぶつかった人だし、ちっともハトじゃないんですよね、、。
2)うまく行かなくて、投げ出すかも、、、
民主党内部にも爆弾がいっぱいあるみたいだし、あれだけ官僚をコケにしていたら、個々の事案に時間がかかるだろうし、すべてが停滞して、不満が鬱積すると、前科者の小沢が「やめちゃえ」って一言で終わるのかも、、、。 何ともさびしいけれど、これも日本の未成熟な議会制民主主義の実体かも、、、。