2007年9月16日日曜日

次の首相?

参議院選挙で、とうとう小沢一郎の化けの皮が剥がれて、「ばらまき農業政策への回帰」が勝因の一つのように言われていますが、今までもずーっとやってきてうまくゆかなかった事が、何故今になって、民主党がやるとうまく行くのでしょうか?

 生産者米価は160円・Kg前後ですから、将来を考えて100円・Kgで考えてみましょう。
 平均反収は450Kg位(コシヒカリで)。 500Kg位まで出来ると仮定すると。
100 X 500 = 50,000 円/10a  
          500,000 円/Ha
50,000,000 円/100ha
年収1000万円を目指すとすると、20Haは必要。 それも、米以外の物も収入として確保しないと、維持費が出ない状態となります。  100Haの農業法人であっても、4-5人で運営して、それも、米以外にも生産し、コメへの100%依存を回避してゆく必要があります。 (これは、普通の企業としての年金とか健康保険のことは考えていませんので、1000万円の収入から支払われるものとなり、サラリーマンの1000万円よりも少ないことになりますが、、、)。
  バイオエタノールの原料として、稲藁30円・Kgで売れたとすれば、馬鹿にならない収入と見なせます。 場所によって違うでしょうが、10-3月までの間に収入が図れる作物を探して、収入源とすることも重要でしょう。

  これが、農業の現実であり(農家直販など流通のことを別にすれば)、個別の農家保障がどこまでのコストを肩代わりすることを考えているのかは知りませんが、米単作の小規模農家では、収入の大半を補助してもらわなければならない(都会並みの収入を得ることは到底不可能)である事実は事実です。 これが、若い人たちの農業離れの後押しをしていることは事実だと思いますし、60過ぎの団塊世代の就農に頼れば、10-20年後にまた問題が生じるはずです。

  新しい首相には、ぜひ、10人の農家を生き延びさせるためにではなく、一人の将来も持続して農業を経営してゆける組織なり、農家を育てるためにお金を使っていただきたい。 間違っても、民主党のような短期的な票集めのための政治戦術のために国税を浪費していただきたくない、と考えます。
  間違っても、「生きがい農業」だとか、「環境保全農業」だとか、収入の少ないことを隠す為の「美しいメッセージ」で現実を覆い隠すことなく、生業としての農業が普通の生活を送るのに充分に足る状況を作ることを考えてほしいと考えます。