2007年7月20日金曜日

営農指導の意味

先週田舎に帰った折に、某県副知事さんと話をしていたら、「営農指導といっても、技術指導しかしていない。 経営指導ってやらないのか?」というしごく当たり前の質問をされました。 確かに、どこでも日本の農業の世界では、「営農指導」=「技術指導」で経営指導をしている所は無いように思います。 (どなたか、経営指導をしておられる所をご存知でしたら、紹介してください。)
農水省の統計資料でも、米作の経費が載っている部分が有り、10a当たりの収入が経営規模別に出ていますが、これは経済的な常識からするとおかしな話のような気がします。 人件費は固定費です。 10aだろうと2000aだろうと、人一人の収入は生活するために必要なコスト(一定)です。
米作での損益分岐点は多分、20ha位のところにあるものと思われますが、米の単作ではなく、冬から春先に「菜の花」とか、冬野菜とか、固定資産、固定費の効率的な利用をもっと考えた、本当の「営農指導」がもっと積極的に行われないと、農業の活性化は出来ないのではないでしょうか? その意味で、先の農水の統計資料では、「農業機械」の減価償却費が経費の20%位をしめていますが、「田植え機」「稲刈り機」など、一年に一度(数日)しか使わない物の為に、こんなにコストが掛かっているのも、おかしな話です。
団塊世代の退職で新規就農を増やす、という政策が、細切れの趣味の農業を増長させ、本来あるべき、生業としての農業を損なわない、ことを願っています。 (60歳定年の人が、それから農業を初めても、20年は出来ない事を考える必要が有ります。 この考え方自身が、パッチワークにしかなっていないし、また、それが細分化された農地を温存させることにもなってしまうので。)